粉飾決算
今日は、仕事のハンドオフがまだないので、今のうちに書いておこう。
日本に帰ってから、朝7時10分に近所の子供達が長男を向かえに来るので、朝は6時起きです。ひゃー朝が早い早い。おかげで、午前中がとてもながーーい。家の掃除やらなにやら、一通り終わってもまだ9時前!早起きは三文の得、ってところでしょうか?
なんて思いながら、ウェブをさまよっていたら、粉飾決算について監査法人の処分云々という記事を見つけました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050921-00000001-yom-soci
ここの所、カネボウ、足利銀行と、公認会計士が粉飾決算を指南した、黙認した・・・という記事がたくさんありますが、元会計士として思うところをちょっと。
会計士だけでなく、職業人には、通常払うべき注意を払って仕事をする義務があります。プロとして、一般の人々が通常期待する技能・知識をもって仕事をする必要がある、と。ま、あたりまえですね。逆にいえば、いかにプロといえども、あまりに突飛な事を期待されても、その責任を負わされる事はありません。
たとえば、将来を正確に予言することは、普通、人間には不可能なので、そういう責任までを負わされることはありません。
“この会社は3年後に倒産する”なんて事は、うすうす想像は出来たとしても、それを会計士が明言してしまうと、本当に確実に会社を倒産させることになります。そうなると、明言したために、倒産しないかもしれない可能性を確実に潰し、倒産の時期まで早めたという責任の方が大きくなります。
なので、こういうリスクのある場合、会計士は“意見差し控え”か“契約解除”という手を使います。
意見差し控え、はその通り、“適正である、とも適正でないとも言わない”というものです。会計士の意見は法規に対して適正に財務諸表が作成されているかどうか、なので、経営が良いか悪いかではありません。赤字決算であっても、法規に従って処理されていれば“適正意見”を出します。(最近はもっと踏み込んだ意見も出すようになっていますが、それはまた別に置いておきます。)
契約解除とは、会計士の指導に従って適正な財務諸表を作成しない会社とは、監査契約をむすびませんよ、というものです。
いずれにしろ、この2つに該当すれば、かなりのブラックリストであることは明白です。実際、そういう実例もありましたが、どこからか個人事務所などを見つけてきて、適正意見を手に入れていましたから、リスクを背負ってまでも契約をとる会計士がいることも事実です。
大手といわれる監査法人では、リスクがあれば契約解除します。
今回の中央青山も元は中央監査法人と青山監査法人といういずれも大手の監査法人が合併してできたものですから、契約解除できたと思いますが、カネボウは会社の規模も大きいので、影響が大きすぎると判断したのかもしれません。担当の監査法人が変われば、何かあったという事は明白ですから。
前置きが長くなりましたが、問題の会計士は粉飾を知っていたかどうか、という点です。
私の経験からすると、粉飾がわからなかったはずはないと思います。子会社であっても、危うい会社であれば、(少なくとも私が在籍した監査法人では)毎年監査に行きます。必要であれば、棚卸の立会もしますし、サンプリングテストではなく、全件のチェックという手も使います。カネボウみたいに規模が大きいと、なかなか難しいとは思いますが。。。
いくら、会社側からの説明がなかったとしても、怪しいという嗅覚こそが商売道具ですから、会社側の説明を鵜呑みにすることはありえません。たとえ、地球の裏側にある、休眠会社(名前だけの会社)であっても、名前だけ存在しているという証拠を入手する必要があるのです。
金融機関の監査は経験がありませんのでわかりませんが、普通の製造業、商業などの会社であれば、ものすごーーく特別な事情がない限り、粉飾がわからない事はない、と思います。
逮捕された会計士の名前までは出てこないようなので、どんな人達だったのか?はよくわかりませんが、私も就職活動の時など会った事がある人かもしれません。かつての同僚達はこれをどうとらえているのだろうか?とも思います。(単に、I'm just wondering...なだけですが。)
ちょっと昔を思い出してしまいました。懐かしいですねぇ。
もう知識が古くなってあの世界には戻れないと思いますが、必死に仕事していた昔の記憶がよみがえりました。
日本に帰ってから、朝7時10分に近所の子供達が長男を向かえに来るので、朝は6時起きです。ひゃー朝が早い早い。おかげで、午前中がとてもながーーい。家の掃除やらなにやら、一通り終わってもまだ9時前!早起きは三文の得、ってところでしょうか?
なんて思いながら、ウェブをさまよっていたら、粉飾決算について監査法人の処分云々という記事を見つけました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050921-00000001-yom-soci
ここの所、カネボウ、足利銀行と、公認会計士が粉飾決算を指南した、黙認した・・・という記事がたくさんありますが、元会計士として思うところをちょっと。
会計士だけでなく、職業人には、通常払うべき注意を払って仕事をする義務があります。プロとして、一般の人々が通常期待する技能・知識をもって仕事をする必要がある、と。ま、あたりまえですね。逆にいえば、いかにプロといえども、あまりに突飛な事を期待されても、その責任を負わされる事はありません。
たとえば、将来を正確に予言することは、普通、人間には不可能なので、そういう責任までを負わされることはありません。
“この会社は3年後に倒産する”なんて事は、うすうす想像は出来たとしても、それを会計士が明言してしまうと、本当に確実に会社を倒産させることになります。そうなると、明言したために、倒産しないかもしれない可能性を確実に潰し、倒産の時期まで早めたという責任の方が大きくなります。
なので、こういうリスクのある場合、会計士は“意見差し控え”か“契約解除”という手を使います。
意見差し控え、はその通り、“適正である、とも適正でないとも言わない”というものです。会計士の意見は法規に対して適正に財務諸表が作成されているかどうか、なので、経営が良いか悪いかではありません。赤字決算であっても、法規に従って処理されていれば“適正意見”を出します。(最近はもっと踏み込んだ意見も出すようになっていますが、それはまた別に置いておきます。)
契約解除とは、会計士の指導に従って適正な財務諸表を作成しない会社とは、監査契約をむすびませんよ、というものです。
いずれにしろ、この2つに該当すれば、かなりのブラックリストであることは明白です。実際、そういう実例もありましたが、どこからか個人事務所などを見つけてきて、適正意見を手に入れていましたから、リスクを背負ってまでも契約をとる会計士がいることも事実です。
大手といわれる監査法人では、リスクがあれば契約解除します。
今回の中央青山も元は中央監査法人と青山監査法人といういずれも大手の監査法人が合併してできたものですから、契約解除できたと思いますが、カネボウは会社の規模も大きいので、影響が大きすぎると判断したのかもしれません。担当の監査法人が変われば、何かあったという事は明白ですから。
前置きが長くなりましたが、問題の会計士は粉飾を知っていたかどうか、という点です。
私の経験からすると、粉飾がわからなかったはずはないと思います。子会社であっても、危うい会社であれば、(少なくとも私が在籍した監査法人では)毎年監査に行きます。必要であれば、棚卸の立会もしますし、サンプリングテストではなく、全件のチェックという手も使います。カネボウみたいに規模が大きいと、なかなか難しいとは思いますが。。。
いくら、会社側からの説明がなかったとしても、怪しいという嗅覚こそが商売道具ですから、会社側の説明を鵜呑みにすることはありえません。たとえ、地球の裏側にある、休眠会社(名前だけの会社)であっても、名前だけ存在しているという証拠を入手する必要があるのです。
金融機関の監査は経験がありませんのでわかりませんが、普通の製造業、商業などの会社であれば、ものすごーーく特別な事情がない限り、粉飾がわからない事はない、と思います。
逮捕された会計士の名前までは出てこないようなので、どんな人達だったのか?はよくわかりませんが、私も就職活動の時など会った事がある人かもしれません。かつての同僚達はこれをどうとらえているのだろうか?とも思います。(単に、I'm just wondering...なだけですが。)
ちょっと昔を思い出してしまいました。懐かしいですねぇ。
もう知識が古くなってあの世界には戻れないと思いますが、必死に仕事していた昔の記憶がよみがえりました。
by kitasan_25
| 2005-09-21 09:41
| 雑感