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子育て主婦暦11年。とりあえずひと段落。人生まだまだこれから!!・・・と思っているのはアタシだけ?
by kitasan_25
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人は二度死ぬ

今日は、仕事がたくさん!
クライアントの要求する納期の関係で、大量の仕事を明日の昼までに仕上げなければなりません。1日の作業量の目安は、新規ワード2000ワードとしているのですが、今日と明日は1日3000ワードのペースです。マッチ率を無視すれば、トータル5000ワード。おまけに、週明けに納期の仕事も入ってしまい、この週末は休みがありません。あーあ。

夜中までやるというのも方法なのですが、私の場合頭が冴えなくなってくるので、無理はしないで睡眠を先に取ることにします。

さて、今日、アメリカから送った荷物が届きました。これで残る荷物は、来週届くはずの車だけです。だんだんと、アメリカが遠い存在になってきました。帰国してもうすぐで2ヶ月。なんだか不思議なんですよね。住んでいた家も、近所の通りもスーパーも、目を閉じればありありと思い浮かんで、今、自分がそこにいても全然不思議でない雰囲気がするのに、もしかしたら(その可能性が高い)二度と足を踏み入れることのない場所なんですよね。

毎週通ったスーパーのお兄ちゃん。そろそろ“最近、あの家族が来ないなー”なんて気づいたかな?足繁く通った図書館の愛想の悪いおばちゃん達も、“最近、あの子連れの東洋人を見かけないな・・・”なんて思っているだろうか。

まだ今なら、何の違和感もなく、“Hi!”と挨拶すればとけ込んでしまえそうな場所なのに、実は地球の裏側。遠ーーーい彼方の地なのです。

何というか、不思議なんですよね。もう、二度と海外にでる機会はないかもしれない。仮に出たとしても、必ず日本に帰る日が来て、最後に戻ってくるのはやっぱり日本なんです。もう、会うことのない人達、もう感じることのない雰囲気。わかってはいるけれど、心の奥底でそれを信じ切れていないような感じがしています。アメリカに行きたい!とか、海外移住がしたい!というのではなく、ただただ、あの雰囲気の中に自分が居ることは無い、という事実が、どこか受け入れられないでいるようです。

別れの次は出逢い。

実は、なんとも奇遇な事に、お隣に住む大学の先生が、10年ほどNYの大学にいたんだとか。かつて、私たちが住んでいた所にほど近い州立大学です。その奥様は外国の方で、とても気さくな人です。あんな場所に住んでいた2家族が、なんの運命でこのド田舎で隣り合わせに住んでいるんでしょう。不思議な縁を感じます。

変な話ですが、人は二度死ぬそうです。一度目は、身体の死。そして二度目は記憶からの死。身体は滅びても、人の心に生き続け、記憶から消えてなくなってしまう時が、本当の人の死であると。となると、私の記憶の中で元気に笑う祖母は、まだ生きているという事ね。

死、とまではいかなくても、別れも二度あるのでしょう。実際に会えなくなった時と、記憶から消える時。友人はまた別として、お互いに名前もしらない街の人達の記憶の中から、子連れの東洋人の記憶が消える頃、あの街も私にとって“知らない街”になるんだろうな。バイトのお兄ちゃん達が、学校を卒業していなくなれば、私たち家族を見かけた人達もあちこちに散り始める。自分の記憶の中で彼らの顔が思い出せなくなる頃、過去の中に入っていくんだろな。

NYの空気がつまった箱をあけながら、そんな事を思っていました。
by kitasan_25 | 2005-10-20 23:55 | 日常の話